kaori(@kemcy15)です。
恋はデジャ・ブ…
タイトルからしてバカまるだしのラブコメかな?みたいな邦題がついているために、なかなか手にとれない人が多そうな作品。だけど、こう見えてすてきな映画。
尊大でどうしようもなくイヤな男が、永遠に続く一日を繰り返すなかでの成長を描き、「どう今を生きるか」という哲学的なテーマを投げかける、心あったまり系のコメディです。
ややネタバレあらすじと感想です。
恋はデジャ・ブ 概要とあらすじ
恋はデジャ・ブ(現代:Groundhog Day)
監督/脚本ハロルド・ライミス
主演 ビル・マーレイ アンディ・マクダウェル
わたしたし昭和生まれのお子さんにとって、ビル・マーレイはゴーストバスターズの真ん中の人。ですよね。
「恋はデジャ・ブ」監督脚本は、ハロルド・ライミスさん。ゴーストバスターズのモジャモジャメガネ博士で有名です。
もう亡くなられているけど、さいきんでは女子のゴーストバスターズに、ハナ肇風の銅像としてカメオ出演。
恋はデジャ・ブ あらすじ
主人公のフィル(ビル・マーレイ)はお天気キャスター。
尊大で自己チューで、思い上がったいやーな野郎… 2月2日、聖燭祭(GROUNDHOG DAY)の取材をしに、ペンシルバニアの田舎町を訪れる。
宿で眠り、目を覚ますと再び2月2日の朝だった。目覚めるたびに何度も何度も同じ一日がやってくる。 繰り返し続ける時間の中で、同行の美人ディレクターを口説こうとするフィルだけど…
恋はデジャ・ブ。それにしてもすごすぎる邦題だ!
たしかに恋だし…デジャ・ブはわかりやすい言葉だけど、さ。
原題の“GROUNDHOG DAY”は「聖燭祭」というアメリカの祝祭だそうで、ビーバーっていうかネズミっていうか、リスみたいな「GROUNDHOG」が、穴から出て来て春のおとずれを知らせるというイベント。
ウッドチャックという生き物だそうです。
後楽園ゆうえんちのドンチャックみたいでぷりぷりしてかわいい!
目覚めるとまた同じ日。永遠に繰り返す中で変わっていく主人公。
目覚めると2月2日。夜が来て眠り、目覚めるとまた同じ2月2日。
そんな不思議ループのなかに入ってしまった主人公。
周りの人に状況説明をしても信じてもらえず、だんだん死にたくなって自殺しても、また同じ2月2日。いろんなことを試してそこから抜け出そうとするけど、できません。
毎朝同じ台詞でフィルに話しかける町の人、広場でダンスを踊り、カフェで食事をする人たち。
悪夢のようにくり返す同じ場面だけど、彼らにとってはごく普通の新しい一日!
1人ポツンと取り残された主人公フィルの混乱や怒り、絶望からなんとか希望を見いだそうとする姿を、やさしい視線で描きます。うふふと笑わせます。いやあ、面白いなあ。
ふてぶてしさ全開のビルマーレイ!
悔い改めるビル・マーレイといえば「3人のゴースト」も
同じビル・マーレイ主演の1988年の映画「3人のゴースト」は、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を現代風にアレンジした、悔い改めて改心する物語。頻繁に悔い改める男、ビル・マーレイ。
クリスマス・キャロルは、過去・現在・未来の人生と向き合うことで、善く生きることに目覚める物語でした。
永遠に繰り返す1日を、どう生きるか
「恋はデジャ・ブ」では、自分のことしか考えていない男が、閉ざされた時間のなかで、絶望したり、自暴自棄になったりしながらも、自分の愚かさや、心と向き合うことに。
どうにもできない状況を受け入れ、閉ざされた時間をどうやって充実させるか?と視点を変えたときに、絶望が希望へと変化します。
「永遠に繰り返される一日を、どんな日にするか。いかに生きるか」そこから、より善く利他的に生きることに目覚めていきます。。
尊大だったフィルのふてぶてしい顔がだんだん可愛く見えて来て、さりげなくもホッとするラストシーンがやってきて…
しみじみとした終わり方に思わず感激。
こういう地味な佳作って貴重だなあ。変な邦題だけど、しみじみ良いのでおすすめです!